沢山の季節を繰り返し、私達の高校生活は残りわずかとなる。
3学期の始業式の朝、さっちゃんと手を繋ぎながらクラス表を見た。
「紗枝ちゃん、また一緒だよ。3年間同じクラスだね」
さっちゃんの指差すほうに目をやると私とさっちゃんの名前が書かれていた。
この高校は3年生の3学期にクラス替えがある。
就職クラス、進学クラス、そして進路決定クラス。
進学だと聞いていたはずの岬君の名前は……進学クラスをすべてみたけど見つからない。
「岬、春樹と同じクラスみたい」
「えっ?」
「岬、進学するって言ってなかった?」
「うん」
私達は顔を見合わせる。
岬君の名前があったのは……進路決定クラス。
先のことはわからない。
でも、この先もずっと一緒にいたいと願う気持ちがどうしても消せずに私は岬君の志望校を気にしてみていたはずなのに……
いつの間にか岬君の進路は変わっていた。
神様、私は2人の未来を夢見ることすら叶えてもらえないのでしょうか?
私はまた大切な人においていかれる気がした。
母親に置いていかれたあの日のように……


