そのとき、
「お姉さん、伏せて‼︎」
という声が聞こえた。
私はとっさにその場に伏せた。ヒュン、という音がして、おそるおそる目開けると、目の前には一本のナイフが刺さっていた。
「…‼︎」
驚きのあまり声が出なかった。私は刺さったナイフを引き抜き、声の主の方を向いた。
エイプリルフールのドッキリではないようだった。それは、上空で2人の人間(?)が本気で闘っていたからだ。
「うわぁ……」
思わず声が溢れる。
数分後、勝負あったようで負けた方の人間(?)が黒い渦に飲まれて消えた。
ゾワッっと私の背中に寒気がはしった。
「あの…」
「うわっ」
突然声をかけられて、凄い大声を出してしまった。