私達が部屋に入ると、甘い香りがした。
「…この香り」
何か心当たりがあるような反応をした。
辺りを見渡すと、ベッドの上に正座している女の子の姿があった。窓から吹き入れる風が彼女のクリーム色の髪を揺らめかせている。
「華織?」
霞が一言呟くと、彼女はフッと振り返った。
「お久しぶりですー」
「久しぶり。」
「お元気でしたか?さ」
彼女が何がを言いかける前に霞は彼女の顔を壁にぶつけた。ゴン、という音が盛大に鳴った。
「いたた…」
少女は頭のうった所を撫でる。
「な、何するんですか⁉︎」
霞はキレる彼女に耳元で何か囁いている。しばらくしてから、「はい!わかりました。霞様!」という声が聞こえた。
「わかればよろしい」と言うように霞はコクコクと頷いた。
で、私は未だに状況を理解できていないのだが…