どこをどう来たのか。

いつの間にか、海まで来ていた。

昔の両親との思い出もあるけれど、神威とも前はよく来ていた。

楽しい思い出しかないよ、ここは。

やっと…泣ける。

ポロポロ溢れだした涙は。

楽しかった思い出全部、最後に悲しいものにしていく。

もう、会うことはないけれど、少しは誰かが私を気にしてくれたりするのかな。

ああ、要(かなめ)には最後に会うべきだったかな。

唯一の友達で幼なじみ。

誰か私を覚えていてくれるかな…。

全く冷たさを感じない海。

でも、今は真冬だから。

きっと早く逝けるわ。

そうして…私は暗い海の中に進んでいった。

これで、楽になれる…それだけを思って。