『はじめまして?になるかはわかりませんが、助けて頂きありがとうございました。あなたが救ってくださり、第二の人生をやりなおせると思えるようになりました。』

「…もう大丈夫?」

ガタイの良い、いかにも人の良さそうな東千李さん。

今は大学近くの喫茶店にいる。

非番の東さんは偶然にも住んでいる所がこの近くらしく、今日簡単に会うことができた。

なんだか伺うような困り顔の東さんに、『はい。』と返事を返す。

穏やかな空気に私も流され、ほんわかした気分になる。

東さんの纏う空気感、なんとなく好きだなって思えた。

「それならいんだけど。」

私の笑顔にほっとしたような顔を向けてくれる。

この人、本当に優しい人なんだろうな。

「大学ではどんな勉強してるの?」

ほら、もう話題が変わった。

私は自然に笑顔のまま、質問に答える。

『私、図書館司書になりたいんです。その為にこれから余計な事は考えず、頑張っていきたいと思っています。』

「いい夢だね。」

『ありがとうございます。』

「本好きなら、ミラー行ったことある?」

『はい!しょっちゅう行きます。カフェメニューも充実してるし、本好きには堪らない品揃えですよね。』

ミラーっていうのは“cafe・mirror”のこと。

本を読みながら、気に入れば購入もできるところで。

セレクトがすごく私的には大好きなので、頻繁に通っている。

おかげで店長さんとは、本の好みが似ているから、今では仲良しなの。