「小春ちゃん、こっち寝かせんしゃい」
「うん、ありがとう…!」
汗だくになりながらお店に行くと、奥のソファへと案内され、叔母ちゃんと子供達に手伝ってもらいながらソファへと男の子を寝かせる。
「多分、熱中症…かな?家分かんないし取り敢えずここで寝かせて、酷いみたいだったら先生呼ばなきゃ…」
「とりあえず、体が熱もっとるけん冷やしてやらんとね」
どうすれば良いのか分からず狼狽えているだけの私の背中を優しくポンポンと叩いて、叔母ちゃんは男の子の頭の下に氷枕を敷き次々と体を冷やすための作業を進めていく。
下手に手伝うと邪魔になるからと、ただそれを見つめていることしか出来ない自分に不甲斐なさを感じていると、叔母ちゃんがこちらを振り返り優しく微笑む。
「暑い中、よう運んできてくれたね。…ありがとう」
なぜ叔母ちゃんがお礼を言うのか分からなかったけど、叔母ちゃんの優しい言葉に溢れそうになる涙を耐えようと咄嗟に作った変顔は、子供達も叔母ちゃんも笑っていたから自分の中でも最高傑作に入るくらい不細工だったに違いない。
