じゃんけんという言葉を聞いた瞬間、子供たちが闘志に満ち溢れた顔に切り替わる。
それぞれ拳に念を込める子も居れば、『チョキ出す!』などと前もって宣言している子も居る。
私が小さい頃よくやっていた、手と手を重ね捻ってから相手が出すやつを予測するといった動作をしている子は一人も居ない。
まぁ…実際あれをやったところで相手が出すものを分かるかと問われれば、全く分からないから当たり前だろう。
「よーし!後出しは駄目だよ!一発勝負だからよく考えてだしてねー!」
子供たちを集め、言わなくても理解しているであろうルールをしっかり口頭で伝える。
ひとりひとりの表情を見つめて行くと、みんなやる気満々で握り拳を作って少し鼻息を荒げており、鼻がピクピクしていて可愛い。
「「じゃんけん!!ぽんっ!」」
みんなの綺麗に揃った大きな掛け声で突然戦いが始まり、驚きながらも少し遅れ気味に戦況を見つめると綺麗に二手に分かれていて、勝負がついている。
「よっしゃーー!!!」
店内に一人の大きな歓喜の声が響く。
手の平をパーにしたまま天井に向かって手を突き上げている姿を、負けてしまった三人は眉を下げて見つめていた。
