風の便りから



そろそろ子供達の事が気になり始め、ささっと二人分のコップ洗いカゴの中へと逆さ向きで置いておく。




洗い方が下手なのか割烹着の前の方が水で濡れてしまっていて、下に着ている服にまで浸透してきていて気持ちが悪い。




「澄野くん、そろそろ戻ろうか」




開けられたままの襖から遠目に見える縁側の方を眺めていた澄野くんへ声をかけてから、玄関の方へと歩いていく。




一刻も早くクーラーのきいたお店の涼しい空間に戻りたくて、自然と歩く速度も上がる。




外へ出ると海風が肌に当たって少し涼しい気はするが、その分陽射しが痛いほど肌に刺さる。


だけど室内の方が良かったかと言われると室内には熱がこもってて暑かったから、どっちもどっちな気もする。



前を歩く澄野くんは、相変わらず海だか空だかを眺めている。



足元を見ないで遠い方ばかり見ているから転ばないか心配だけど、澄野くんは小さい子じゃないし不要な心配だろう。


ーーなんて思っている側から、澄野くんは小石に躓いて体が傾きかけながらも何とか踏ん張っていた。

やっぱり注意した方が良かったのかもしれない。