風の便りから



澄野くんが丁寧に拭いてくれたものを、元々あった棚へと収納していく。残っていた最後のひとつを棚へ入れて、それと入れ替えるようにコップを二つ取り出す。



冷凍庫から氷を出して、コップの縁いっぱいまで氷を入れる。



麦茶と緑茶どっちにするか悩んだ結果、緑茶は好き嫌い別れると思うから勝手に自家製の麦茶を選び、注いでいくと氷が溶けパチパチと乾いた音が響き水滴が腕や顔に飛んでくる。



それが冷たくてすごく気持ちが良い。




「澄野くん麦茶飲める?」

「はい。家でも飲んでいるので、好きです」




もう注いでしまったから遅いが、念のためにと尋ねると飲めるという返事が返ってきた為、麦茶を注いだコップを有馬くんへと渡す。



「ありがとうございます」



澄野くんは額に浮かんでいる汗を洋服の肩口で拭いながら、私が差し出したコップを受け取る。



「こちらこそ、ありがとう」



お礼を言うのは私の方だ。



二回も道具を運んでもらって、暑い中拭き仕事までさせたんだから麦茶一杯じゃ割に合わないだろう。