割烹着のポケットに忍び込ませていたクリップで、使った材料の中身が溢れないように開封口を折ってしっかりと止める。
あの子達はいつものように走って帰るだろうから、途中で落としたり転んだりして材料をこぼしたりしたら大変だ。
「これ、小春さんの家の方に運んだら良いですか…?」
重ねてあるボウルと道具の山を指差しながら、澄野くんが首を傾げて問いかけてくる。
確かに家に持って帰らなきゃいけないんだけど、朝も全部運ばせちゃったし今回も全部運ばせちゃうのは澄野くんに申し訳ない。
「…半分私が持つから、澄野くんも半分持ってくれると助かるかな」
そう言うと、澄野くんは頷いて真剣な表情で道具を二手に分けていく。
見るからに重い物が片方に偏っているけど、真剣な表情の澄野くんを見ているとその真っ直ぐな優しさが身に染みて素直に嬉しい。
