隣の澄野くんを盗み見ると同じように立ったまま子供達を見つめていて、謝るには今がチャンスなのではないかと小さく深呼吸をしてから口を開く。
「ねぇ、澄野くん。…朝はせっかく荷物持ってくれたのに、笑っちゃってごめんね」
澄野くんの方へ体ごと向けてそう告げるも、目を合わせるのは少し気まずく目線をあちらこちらへ彷徨わせる。
すると澄野くんは、少し体をビクッと震わせて手の平で顔を覆い隠して俯いてしまう。
「いや、あの…その事は忘れて下さい。本当…思い出すだけで消えてしまいたくなるんで…」
か細い声で聞こえた言葉に何故だろうと小さく首を傾げつつ澄野くんをじっと見つめていると、手の平で覆い隠されていない耳や首が朝の比ではないくらい真っ赤に染まっている事に気が付く。
「違うんです。…運ぶの好きじゃなくて…婆ちゃんの荷物とかよく運ぶんで、運ぶのは得意だって言おうと思ったんです…」
途切れ途切れに言い訳を探す子供のように言葉を選びながら、伝えてくれる澄野くんの言葉に耳を傾ける。
なるほど。
確かに澄野くんはあの時『運ぶの好きなんです』と言ったけど、本当は『運ぶの得意なんです』って言いたかったみたいだ。
