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「小春ちゃん、少し開けさせてもらうばーい」
「ん…、?」
部屋の扉をノックする音と自分を呼ぶ声に、意識が覚醒していく。
ゆっくりと静かに開けられた扉の向こうには叔母ちゃんの姿が見えて、布団から目を擦りながら体を起こす。
いつもは8時に目覚ましをかけていて、8時に起きる様にしてるんだけど時計に目をやれば、まだ針は7時25分を指しているところだ。
「どうしたの、叔母ちゃん。…何か急用?」
叔母ちゃんがこんな風に起こしに来るなんて初めてで、何かあったのではないかと一気に不安に駆られる。
寝起きでボサボサの髪の毛をひと纏めにしてゴムで結び、叔母ちゃんの顔を見てみるけど焦ったり急いでいる様子は無くて少し安心する。
「ユキちゃんと、マユちゃんが迎えに来とらすよ」
柔らかな声で発せられた言葉に、体から力が抜けていくのを感じる。…叔母ちゃんに何かあったんじゃなくて良かった。
にしても、さすが小学生。こんな早くから家に来るなんて、そんなにラムネ作りを楽しみにしてくれてたのだろうか。