叔母ちゃんが営んでいるこのお店には雑貨にお菓子に釣り具など色々売っていて、大抵のものはここで揃う事から島の人からは、『何でも屋さん』なんて呼ばれてる。
だけど、お肉や魚や野菜なんかは売られていないから夕飯の買い物には不向きで、少し先にある小さなスーパーへ行かなければならない。
お店の外観は少し錆びていて決して綺麗とは言い難いものだが、中はいつも掃除してるからとても綺麗で最初に来た時も汚いといった印象は抱かなかった。むしろ、綺麗だと思ったくらいだ。
島の人たちはよくお店に立ち寄ってくれ、このところ順調に顔見知りも増えていっている。
時計に目をやると午後二時を指そうとしている頃で、肘をついていた手を腰の後ろへやりその時を待つ。
…そろそろ来る頃だろう。
遠くからここ最近耳にすっかり馴染んだ騒がしい声と、バタバタと音だけで走っているのが分かる複数の足音が聞こえ、思わず口元が緩んでしまう。
段々と近づいて来る足音に耳を澄ませていると、ピシャッと古い引き戸を勢いよく開ける音が店内に響く。
