風の便りから



私と澄野くんの2人で子供達が散らかしたままの、テーブルの上の教材を綺麗に重ねていく。



ノートや教科書、プリントに書かれている名前を確認しながら分けていると、書かれている字にもひとりひとり個性があり見ていて楽しい。




「自由研究…」


「ん?…なに?」


「子供達に、自由研究…何すれば良いかアドバイスを求められたんです」




自由研究なんて懐かしい単語が聞こえ少し和むが、澄野くんは真剣に悩んでいる様子で緩みそうになった顔を引き締め自由研究について考えてみる。



自由研究って意外と大変で、テーマを考えるだけで1日経ったりしていた事を思い出す。


私の小さい頃は、何を作ったんだったっけ…?




「あ、…ラムネだ」

「…ラムネですか?」


「そう、お菓子のラムネを作ったの。…近所の友達と一緒に」



自由研究と聞いて思い浮かんできた幼い頃の楽しかった記憶に少しの間浸りながらも、澄野くんへ視線を向ける。



私の言葉を聞いて澄野くんは顎に手をあて、少し俯いて何かを考えてる。