風の便りから



クーラーが効いているから暑くはないはずだけれど、喉が渇いただろうとカウンターの後ろにある棚を開けグラスを人数分取り出す。



グラスをお盆に乗せテーブルに運び、果汁100%のよく冷えたアップルジュースが注がれていくグラスに子供達の視線が集まる。



「お疲れさま。みんなで、水分補給しておやつ食べてねー」




一人ずつジュースの注がれたグラスを配れば、みんな勢いよくグラスを持ってゴクゴクと喉を鳴らして飲み干していく。




澄野くんも喉が渇いていたのか、一気にコップの中のジュースはすぐに消え去ってしまった。



私も自分の分のジュースを喉に流し込むと、よく冷えたジュースが喉を通る時の冷たい感触が心地良い。




「おかわりあるから、ゆっくり飲んでね」




みんなの空になったグラスへとジュースを注ぎ直しながら、明日は何ジュースを用意しておこうかと悩む。




売り物ではないせんべいやクッキーなどが盛られているお皿をテーブルの真ん中に置けば、子供達はみんな喜んでお菓子へと手を伸ばす。




澄野くんは、海苔が巻かれたしょうゆ味のせんべいを静かに音を立てながら食べている。



その後も、クッキーなどの洋菓子には手を伸ばす事なくいろんな種類のせんべいを食べていたから、澄野くんはせんべいが好きなんだろう。