このどんよりとしてしまった空気をどうにかしてくれと、助けを求めるように澄野くんを見ると小さく頷いてくれた。
どうやら助けてくれるみたいで、今は澄野くんがヒーローに見える。
「話は終わった?…ほら、今日の分早く終わらせようか」
少しどんよりとした暗い雰囲気のなか、一人落ち着いた口調で涼しい表情の澄野くんが言葉を発する。
すると子供達も我に返ったように澄野くんを見つめると自分のすべき事を思い出したのか、鉛筆を握り直し猫背になっていた背を伸ばし姿勢を正している。
子供をその気にさせるのって難しいはずなのに、澄野くんは容易くしてみせるから凄い。
四人相手に勉強を教えるのは大変だなんて思っていたのが申し訳なくなってくる。
六人でも、十人でも澄野くんなら勉強を教えるのも簡単にこなしてしまいそうだ。
「そう、正解。よく出来たね」
「間違ってるけどやり方自体は間違ってないから、次はゆっくりで良いから同じように解いてみようか」
一人一人丁寧に褒めるところは褒めて、間違ってるところも怒ったり呆れたりしないで教えてあげている。
どうやら私たちの心配は要らぬ心配だったと、明日界人が来たら教えてあげよう。
