澄野くんがお店に来てから三十分後くらい経ったころ、いつものように騒がしい声と足音がどんどん近付いて来る度に大きくなる。
子供達が来たみたいだ。
「すみのー!今日は算数ば教えてー!」
すっかり馴染んでしまった光景に笑みが溢れる。昨日は、国語だったけど今日は算数の日らしい。
ここ一週間ちょっとくらいで、すっかり子供達も澄野くんに懐いてしまい私としては少しというか、かなり寂しさも感じる。
前は『こはる!』って言って来てたのに、今じゃ『すみの!』だもんなぁ…。
「あれ、何か今日多くない…?」
澄野くんの言葉に私も子供達へと視線を向ける。
そういえば、いつも見かけない顔の子が一人居る。ユキと同じくらいの身長の、髪の毛の長い女の子が1人増えている。
「すみの先生の話したら、マユも来たいって言ったけん連れて来たんやけど……駄目やった…?」
そんな可愛い顔でユキに首を傾げられたら、誰もダメなんて言えないんじゃないだろうか。
