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「…こんにちは」
「お、澄野くん今日は早いね」
カラカラと静かにお店の扉が開かれる音と、いつもより少し早めに現れた澄野くんに少し驚く。
今日も歩いて来たみたいで、頰が赤らんでいて見るからに暑そうだ。
「今日はする事が何もなかったので、早めに来ました」
「そっか。三人とも、もう少ししたら来ると思うからくつろいで待ってて」
澄野くんはもう慣れてしまった様子で、お店の奥にあるテーブルに沿って置いてある椅子へと静かに座る。
澄野くんの額や首筋には汗が浮かび上がっているのがここからでも確認できて、店内のクーラーの温度をリモコンでこっそり少し下げておく。
ついでに、暑い中毎日ご苦労様。と心の中で労わってみる。
ここ最近、澄野くんは毎日のようにお店へと姿を見せてくれるようになった。
そして、防波堤からではなくお店の中から海か空かを眺めている。どっちを眺めているのか気になるけど、聞くタイミングを毎回逃し続けている。