澄野くんは、何でも屋さんといえば島ではここ以外に無いし知らない人も居ないだろうから、そう説明したんだろう。きっと。
というより、澄野くんもうちのお店を何でも屋さんと呼んでいることが何だか以外で、ついつい笑みがこぼれてしまう。
「澄野くんのお婆さん、いつも来てくれてるヤエさんでね…いつの間にか世間話になってしまって、ついつい長話してしまったんよ」
「ヤエさん……」
ヤエさんなら、私も知ってる。
海沿いの道を散歩するついでに、うちの店によく寄ってくれる背が小さくて可愛い元気なお婆さんだ。
ということは、澄野くんはヤエさんのお孫さんって事か。
澄野くんが自分からヤエさんに今日の事を言ったってことは、別に家族に知られるのが嫌って事ではなかったのかもしれない。
再びいろんな疑問が浮かび上がってくるけどあまり詮索するのは良くないと考えることを辞めて、今は日本一美味しい肉じゃがを食べる事に集中する事にした。