「叔母ちゃん、ただいまー」




もうお店の方は真っ暗できちんと戸締りがしてあったから、お店の裏にある叔母ちゃんの家の玄関をゆっくりと開ける。




今日は肉じゃがかな。



玄関先にまで、食欲を駆り立てられるような肉じゃがの香りがほんのりと漂ってきている。




叔母ちゃんの返事が無いのを不思議に思いながら台所に顔を出すも、ここにも叔母ちゃんは居ないみたいだ。




「あれ、どこに行ったんだろ…?」



コンロの火もちゃんと止めてあるし、何か足りなくなって買い出しにでも行ったのだろうか。



でも、島の売店はもうどこも閉まってると思うし、この暗がりの中外を出歩いたりしない気がする。