「…家に帰っても、ちゃんと安静にしてなきゃ駄目だからね!」


何を一番伝えるべきか少し悩んでしまい言葉に詰まってしまったが、何とか伝えたい事を口にできて良かった。



変な声じゃなかったか少し気になるけど、一度発した言葉を戻す事は出来ないから変な声だったとしても諦めるしかない。




「はい。…それじゃあ、おやすみなさい」




澄野くんは一度頷き礼儀正しく会釈をしてから、シートベルトを外し助手席を降りていく。



扉を閉めるともう一度深々と頭を下げ何か言葉をかける暇も無く、まだ少しふらつきながらも暗闇の中へと進んで行く。





「…本当に大丈夫かなぁ…」




島には街灯が少なく、暗くなったら懐中電灯などの灯りがないと暗くて歩きにくいから心配だ。



ちゃんと家に帰れるだろうか。
途中でまた倒れてはいないだろうか。
様々な不安が、頭を掠める。




でも、今更不安を感じてもどうしようもない。とりあえず家に帰って、叔母ちゃんの美味しいご飯でも食べよう。