風の便りから





日が暮れて五時に島中に響き渡るサイレンとともに、子供達は走って帰ってしまった。


思い返せば今日のあの子たちはずっと走ってたような気がする。


家で夕飯を食べて、お風呂に入ってぐっすり寝むってほしい。




帰り際にあげた今日のお礼のお菓子も喜んでくれていたから、良かった。



「さてと、澄野くんは家族に電話して迎えにきてもらう…?」

「…いえ、もう大丈夫なので自分で帰ります…」


いやいや、見るからに大丈夫じゃない。
誰が見ても絶対に大丈夫じゃないと言うくらい、大丈夫ではなさそうだ。



なんとかソファから立ち上がったものの、身体はまだフラフラしているから本人もかなり気分が悪いはず。




澄野くんは強がっているんだろうけど、こんな状態で大丈夫なんて言われても信用できるわけがないし、一人で帰らせるなんてもってのほかだ。