「やめっ..ぅっ」


「..やめろ!今すぐそいつを離せ!」



辛うじてまだ意識の残っている隼の耳に、微かに聞こえてきたどなり声。


その正体は誰なのかはわからないが、明らかに隼を助けに来ていることは確かだった。



「またお前か。これは、町のルールだ。」


「うるせぇなぁ、したがってられっかよ!」



その男は、次々に僕を拉致しようとしている奴に暴言を吐き続ける。

すると、苦しかった首が解放され、一気に空気がのどに入ってくる。



「ゴホッ!ゴホッ!」



いきなり入ってきた空気に対応できず、苦しげな咳が続く。


その場に倒れた隼の頭にかぶさっている袋を、何者かが取る。
袋のせいで、何も見えなかった視界が一気に戻り、周りを見渡してみると、信じられなかった。


3人の男が、隼の周りで気絶して倒れていた。そして、隼の真後ろには、グレンの姿。



「..これ、グレンが、倒したの?」


「...ちげぇよ。」