「....っ、うわっ!」


振り向いた途端に、頭に布袋のようなものを被せられた。映画でよく見る拉致の場面のように。


でもこれは、映画では無い。
今、現実で隼自身に降りかかっていることだ。



「は、なせ!!..やめろ!」



袋の中では、くぐもって上手く声が届かない。


自分は誰に拉致されそうになっているのかも、何もかも焦ってわからない。


必死に抵抗するも、相手側の押さえる力が強すぎて、全く敵わない。


「うっ!!」


袋の上から、縄のような物を首に巻かれ、締め付けられる。その縄で、身体を引っ張られ、どこかへと引きづられて行く。



強引すぎる引きずりかたで、首に縄がどんどん食い込んでいくのが確認せずともわかる。


自分は、どこに連れて行かれるんだ。


でも、一つだけ隼の頭に浮かび上がったのは、



「「生存税の処罰」」



であること。