ピッピッピ。
AM7時。
アラームが鳴り止めて重たい瞼を擦りながら起床。
今日から新学期。
制服に今日替えてチェック。

(よし!完璧)

行く時間になり家を出た。
学校までの道のりは電車。
駅に着いてホームで待っていた。

[おいれいた。あの子可愛くね?]

中学からの親友で中山裕太。
家も近所だ。

[そーか?]
[裕太こいつに言ってもムダだつーの。一途だから他の女に興味ねぇよ]

峯山こうきが言った。
こうきとも中学からの親友。

[るせー。一途で何がいけねぇんだ]
[はいはい]

(朝からうるさいな…)
そー思ってふと横を見た。
(げっ…なんで…)
うるさかったのはれいた達だった。
れいたこと高杉れいた。
彼は学校一人気者。
チャラくて人気だった。
彼を知らない人なんて居ない。
あたしは知らない振りをする事に。

[えり〜]

ほーちゃんが来た。
あたしの親友で加藤ほのか。
通称ほーちゃん。
いつも癒されてる。

[おはよ〜]
[早いね]
[さっき来たとこ]
[まみは?]
[まだ]

するとまみが来た。
まみも親友。
近藤まみ。
いつも3人一緒。

[まみ!]
[おはよ。ってかあそこうるさくない?]
[あれ高杉君達じゃん]
[知らない振りしてたから2人共知らない振り!]
[そーね。絡むと面倒いしね]

あたし達は完全に無視。
電車が来た。

[人多くない?]
[どーする?]
[こうなったら仕方ないか!]

まみは何か思いついたようであたしを見た。

[何⁉︎]
[行くよ!]
[どこに?]
[決まってるじゃない。高杉のとこよ]
[なっ何でよ…]
[あんたバランス悪いんだから高杉と居れば安心でしょ]
[えり良かったね高杉君が居て]
[ほーちゃんまで…]
[そーと決まれば行くよ!]

まみはさっさと歩き出した。
あたしはしぶしぶ…。

[まみちゃん!]

裕太が気づいた。

[おはよ]
[3人揃ってどーした?]
[人多くて…]
[えりちゃん元気なくね?]
[えりの事だから気にしなくていーよ]

あたしは外を眺めていた。
そこへれいたが来て頭に手をおいた。

[何柄にもねぇことしてんの?]
[ほっといて!]
[ほっとくわけねぇだろ]
[ほっといて]
[今言ったこと聞いてた?]

あたしは振り返ってれいたを睨みつけた。
電車が揺れた。
あたしはバランスを崩しれいたがあたしを引き寄せた。

[ちょっ何のつもり⁉︎]
[黙れ!俺がこーしたかったんだ]

[お前ら何やってんだよ〜]
[るせー。こいつバランス悪いんだから支えてんだ]
[こっちに来て正解!]
[あたし別にバランス悪くないから]
[嫌々現にふらついてたじゃん]
[電車が悪い]
[電車のせいにしとんな]
[そーよ。あんたバランスの問題よ]
[えり空いてるから座りなよ]
[座らなくて大丈夫]
[俺座ろ]

裕太が座った。

[お前何座ってんだ]
[空いてんだから座るだろ]
[お前は立ってろ!]
[えりちゃん座る?]
[ううん。座らない]
[んじゃ俺で]

電車に乗って30分。
最寄り駅に着いた。
電車から降りると同じ制服の人達が。

[高杉君!]

この声は!
中学から一緒の高山りえこだった。
れいたの事が好きで何かと寄ってくる。

[お前誰?]
[もー。あたしの事忘れちゃったの?]

りえこはれいたの腕に手を回した。
あたし達はびっくり。

[ひっつくな!馴れ馴れしいんだよ]

れいたはりえこの事が嫌いだった。

[何よあれ!りえこ何考えてんのよ]

まみが突っ込んだ。
あたしは放心状態。

[まみ落ち着いて。えり大丈夫?]
[ありえない…]

[えりちゃん大丈夫⁉︎]

こうきが言った。

[大丈夫]
[高山の事は心配するな。れいたが何とかすっからさ]
[そーだそーだ]

裕太も言った。

学校に着いた。
クラス表へ。

[あっ!うちら同じクラスよ]
[本当だ!]
[良かった〜]

あたし達は喜んだ。
れいた達とは一緒じゃなかったけど3人とも同じクラス。
最悪な事にりえこはれいたのクラス。

[高杉君同じクラスだね。よろしくね〜]
[マジかよ…。勘弁してくれよ]

[えり行くよ!]
[うん]

あたしは2人の後ろを歩いていた。
ふと振り返るとりえこはれいたにベッタリ。
あたしはれいたのとこへ向かった。

[えり?]

あたしは黙ったまま。

[終わったら迎えに行くから待ってろ]
[うん]

そう言ってれいたは教室へ。
あたしも教室へ。

[えりどこ行ってたの?]
[ちょっとね]
[もしかして高杉のとこでしょ?]
[まぁね]
[やっぱり!]

一方その頃。

[高杉君〜]

りえこが来た。
れいたは煙たがっていた。

[あ?いちいち来んな]
[良いじゃん!]

[れいた大変だな]
[ありゃ当分無理だな]

こうきと裕太が話していた。

[高杉君一緒に学校回ろよ]
[は?何言ってんの?1人で行けよ]
[一緒に行きたいの]
[ヤダね。ぜってー行かね]

りえこは諦めなかった。
れいたはりえこに呆れていて完全に無視。
りえこはついに諦めて教室を出て行った。

あたし達もウロウロしていた。

[あら3人揃って学校回ってるの?]
[何か用?]
[いーえ。邪魔しようだなんて思ってないの]
[じゃあ何なの?]

そこへれいたが来た。

[何やってんの?]
[あら高杉君!来てくれたの?]
[んなわけねぇだろ。勘違いすんな]

あたしは振り返った。

[こいつらに関わんなよ]
[たまたま会っただけよ]
[変な事言ってねぇだろうな?]
[してないわよ]

りえこと目が合った。
りえこはれいたの腕にしがみついた。

[おい。離れろ]
[照れなくても良いじゃない]
[は?んなわけあるか!]

[りえこのやつ何馬鹿な真似を]
[えり…大丈夫?]

あたしは立ちつくしていた。

[さっさとどけ!]
[んもー。高杉君何不機嫌になってるのよ]
[お前のせいだろうが]

あたしはれいたのもとへ。

[何よ⁉︎]
[辞めたら?嫌がってるじゃない]
[あなた高杉君の彼女だからって良い度胸ね]
[おめぇだよ。良い加減引っ込めよ]

あたしはれいたを見た。
れいたはあたしを引き寄せた。

[お前さー。何思ってんのか知らねーけど俺にはこいつが居るからお前の望みにはならねーよ]

りえこは黙り込みそのまま立ち去った。
れいたはずっと引き寄せたまま。

[れいた?]
[ん?]
[そろそろ離れてくれない?]
[嫌なのか?]
[ここどこだか分かってる?]

[高杉さっさとえりから離れなさいよ!]
[良いだろ別に。つーか近藤に関係なくね?]
[大ありよ!]
[目立つから離れて]

あたしは離れる事に成功。

[えり行くよ]
[うん]

あたし達は教室へ。

[高杉のやつ何考えてんだか]
[りえこもりえこよ!]
[2人とも落ち着いてよ]
[あんたいい?絶対1人でりえこに会うんじゃないよ]
[うん]
[何かあったら隠さずに話すのよ!]

《帰り道》

約束通りれいた達が教室へ来た。

[お待たせ!]

裕太が来た。
教室にはあたし達以外に人は居る。

[えりちゃん寝てるの⁉︎]
[そー]
[おーいれいたえりちゃん寝てんぞ]

れいたはあたしのもとへ。
あたしはスヤスヤ寝ていた。

[おい。起きろ!起きねぇと分かってんだろうな?]

耳元で言われあたしは起きた。

[起きたか]
[今何時⁉︎]
[放課後]
[ウソ…。もーまみ!起こしてよ]
[何回も起こしたわよ。だけどあんた全然起きなかったじゃない]
[もー]
[ドンマイよえり]

[えりちゃん起きたし。行くか]

先に教室を出て行ったのはまみ達。

[俺らも行くぞ!]
[ちょっ待ってよ]

あたしはカバンを持ち追いかけた。

[おっせぇよ]
[バカれいた。さっさと行かないでよ]
[とろいんだよ]
[とろいって何よ⁉︎]

言い合っているとこうきが来た。

[お二人さんイチャイチャしないでくれる?]
[してない!]
[しねぇーよ]
[仲がいいこと]

[えり達って本当仲がいいよね]
[お似合いだよね]
[でもよー。あいつらいっつもあーじゃね?]
[まぁね。でも相手高杉だから仕方ないよ]
[あいつもあいつだしな]

あたしはまみのとこへ。

[まみー]
[何?]
[何喋ってたの?]
[あんた達の話し]
[あたしらの話しって…]
[ってか何で来たのよ]
[言い合うの疲れたから。それにまみ達と居たいし]
[あんた達言い合う程仲がいいもんね]
[えり高杉君の事好きだもんね]

ほーちゃんに言われあたしは言い返せなかった。

[好きじゃなかったら一緒に居ないわよ]
[…]
[本当のとこどーなの⁉︎]
[す…好きです…]
[もう一度言って!]

あたしはつい大きな声が…。

[れいたの事が好きです]

タイミングよくれいたが現れた。

[誰が好きだって?]
[げっ。よりによって高杉が来るのよ。どんだけ耳がいいわけ⁉︎]
[なんだよ]
[良いからあんたはいちいち話しに入って来なくて良いから]
[れいたうるさい]
[あ?うるさくねぇだろ]
[いやいやうるさいから]
[えりの言う通りよ。黙って!]

れいたは舌打ち。

[なんだなんだ。れいたえりちゃんにまで嫌がられてるのかよ]
[うるせぇー]
[えりちゃんも大変だな]
[あははは]
[えりは好きだからね〜]
[まみ⁉︎]
[あんた好きじゃん?大好きでしょ?]

あたしは赤くなった。

[何赤くなってんだよ]
[うっうるさい]
[こいつ照れてんぞ]
[もう!バカれいた]

こうきに助けを求めた。

[助けてよ…]
[おい。助けを求めにこうきのとこ行くなって]

こうきは優しく頭を撫でてくれた。

[こうき?]
[ん?]
[おい!こうき何してんだよ]

れいたが見ていたらしく来た。

[お前も何触らせてんだ!]
[れいた君嫉妬ですか?]

あたしはニヤついた。

[おいおいお前も嫉妬なんかすんだな]
[うるせぇよ]
[笑える〜]
[しばくぞ!]
[れいた本当うるさい!]
[あ?お前もお前だ。何黙って触らせてんだ]

どうやら嫉妬のようです。
れいたも嫉妬なんてするんだね。
あたしは心の中で笑っていた。

駅に着いた。
丁度電車が来た。

[ラッキー]
[待たなくて良かった〜]

空いていて皆座れた。

[えり良かったね。座れて]

まみが言った。

[何さ…。あたしバランス良いんだからね]
[まだ言うか!諦めて認めなさいよ!現に朝高杉に支えられたじゃない]
[た…たまたまよ]
[正直におっしゃい!認めなさいよ]

あたしは認めざるおえなくなった。
あたしは黙る事に。

[えり静かになったけど、どーしたの?]
[ううん何もないよ]
[本当に?]
[いや何かおかしくない?]
[何が?]
[座る順番]

さっきから気になっていた。
あたしが居るのは何故かれいたがあたし達の間に居るからだ。

[別におかしくないわよ!]
[いやいやどー考えてもおかしい]

あたしは納得いかなかった。

[良いじゃない!高杉の隣なんだし。何も問題ないでしょ]
[全然良くない。あたしだってまみ達の隣が良いのに]
[たとえ隣じゃなくてもこーやって話せるじゃない]
[お前うるせぇーから黙って!]
[何だって⁉︎れいたに言われたくない]

あたしはため息を吐くと真っ直ぐ向いた。

[やっと静かになった]

あたしは寝たふりをするはずが寝てしまった。

[…り。おい起きろ。起きねぇとどーなるか分かってんのか?]

あたしは起きた。
立ち上がり電車から降りた。

[待てよ]
[待たない]
[人がせっかく起こしてやったのによ]
[起こしてくれたのはありがと]

改札口を出てまみ達と別れた。
あたしはれいたに送って貰って。

[んじゃ明日は迎えに来るから]
[分かった]

れいたは行ってしまった。