「 ばっ…!ンなわけないだろ、! 」

一人のクラスメイトが洸くんに向かって肘で横腹をつつきながら問い掛ける。

その問い掛けに私はビックリしたけど高校一年生ってきっと、こんな感じなんだろうなあ、なんて思いながら

目の前で繰り広げられる光景を見ていた。

勿論、すぐに否定されたけど、その横顔はどこか紅みを帯びている —— ように見えた。

「 … ふふっ 。

みんな、仲いいんだね 」

なんだか私まで楽しくなってきて小さく吹き出すと周りの皆が目を見開いて

すぐに私と同じように笑ってくれた。

「 当たり前やん。あたしらのクラスめっちゃ仲ええって職員室で話題やから!

まあ、今日からアンタも仲間入りやん?
皆で仲良くしよや。

あたしの名前は 梢枝( コズエ )やから
呼び捨てでええよ、よろしゅうなユイ 」

そう言って私に手を伸ばして来たのは暗めの茶髪をショートカットにしてて指定の制服をかなり着崩してる、どことなく不思議な雰囲気の女の子で

関西弁でハキハキと物事を言う子だな、と思ったのが最初の印象。

私の周りには珍しいタイプの人種。

「 よ、よろしくね…梢枝ちゃん 」

「ちゃん、てキャラちゃうけど
新鮮な感じしてええな!楽しくなりそうや 」

「おめーは、いつどこでも楽しそうにしてんだろ!」

洸くんと梢枝ちゃんが言い合ってるけど、これもこのクラスじゃいつもの事らしくて、なんだかとても明るくて活発なクラスみたい。


一人ぼっちかも、なんて私の容易い考えは既に頭の中から消え去っていた。