学園から帰ろうと、未来と慎は門を出ようとしたときだった。
「危ないから降りなさい‼」
「嘘ばっかりいうな‼」
「とりあえず降りよ‼」
「今頃、偽善者ぶるな‼」
未来と慎は同時に振り返った。
そこには、かなりの人間が叫んでいた。
未来と慎は、上を見て納得した。
学園の屋上に、1人の少年が立っていた。
少年は下を向きながら叫んでいた。
「お前らが悪いんだ‼」
「わかったから‼ごめんって‼」
「あぁ、わかった‼じゃあな‼」
そう言うと少年は足を空中に投げ出して落ちた。
「キャーー‼」
下にいたものたちは、叫んで目をつむった。
『風よ!』
未来と慎は同時に叫んだ。
すると少年の体を風が包みこんだ。
そして、ゆっくりと地面におろした。
未来と慎は少年に近づいて聞いた。
「どうしてあんなことを?」
すると少年は、驚いたように言った。
「み、未来さま!?」
「様はやめて。でどうしたの?」
「そ、それは…」
少年がいいよどんでいると1人の少女が言った。
「未来さまに近づきたいっていってたから…その…皆でからかってて…」
「えっ…と…」
未来は困ったふうにしていた。慎が代わりに聞いた。
「君は未来と話したかったの?」
「はい…」
慎は少し考えると少年の手をとった。
「ちょっときて。」
「慎?」
「未来は先に帰ってて。ちょっと彼と話すから。」
「うん。わかった。」