「未来、みく、どこ?」
慎は暗闇の中をさまよいながら未来のことを探した。
魔法であたりを照らそうとしたが、まったく意味がなかったのでこうして探している。
「未来、みく、どこ?」
挫けそうになりながらも必死に探した。
ずっと気づかないふりをしていた。
でも、さっき口に出していったとき、妙にしっくり来た。
(あぁ、そうか…。こんなに必死になって本当に好きだったんだ。)
そう思いながら未来を探していた時―。
「……ごめんなさい……。」
そうつぶやく声が聞こえた。
その声の主はとても近くにいるようで遠くに感じた。
「未来!どこにいるの?一緒に帰ろう!」
「ごめんなさい……。」
未来の声はとても弱弱しく響いた。
何に対して謝っているのか、わからない。
でもそばにいたかった。
だからずっと呼び続けた。
「未来―!」
「……慎…?」
そう小さく自分の名を呼ぶ声がした。
子供のころから変わらない。
大切な存在を慎は探した。