『…………………………』
未来の様子をみにきた慎たちはそうかかれたメモをみて黙りこんだ。
いないことにも驚いたが、問題はそこではない。
知られてはいけないのだ。
あの娘に知られてはいけないのだ。
どんなに責められても、どんなに犠牲が出てもあの日のことだけは駄目なのだ。
あの日、あの時、誰がどうなったのか、
未来は何のために生まれたのか、
自分達がどうしてあの娘を姫様と呼ぶのか、
伝説の神子とはなんなのか、
そういったもの全て知られてはいけないのだ。
「探そう…。未来が知る前に……。」
そう慎が言ったときだった。
「その必要はない。」
突然後ろから声がかかった。
『誰だ!?』
慎以外がそう言って振り向いた。
そこにはこの間の少年が壁に背を預けて立っていた。
慎はその少年の顔を見ていった。
「久しぶり…であってる?」
「ああ、あってるよ。久しぶりだな、慎。」
「洸兄こそ。ところで洸兄?」
「なんだ?慎?」
「必要ないってどういうこと?」
「未来は楓さまのところに行ったよ。」
「バレちゃうね…全部…」
「いいんだよ、もう…」
そう話している2人をみて舞たちは首をかしげた。
「慎の知り合い?」
「知り合いっていうか…俺の兄だけど?」
『えぇ!?』
舞たちは相互に顔を見ていった。
『全然似てない。』
「失礼じゃない…!?」
「慎、このメンバーがいまの未来を守っているのか?前のメンバーはどうした?」
「もうほとんど代わったよ。いまは俺とオリガぐらい…。」
「そうか…」
「あの…」
凜が手を上げた。
慎は不思議そうに聞いた。
「どうかした?」
「どうしてあなたは敵の方にいたの?」
慎はそれを聞いて顔を伏せた。
そんな慎の頭に手をおいて洸は答えた。
「未来を守るためだよ。」
「どういうこと?」
「未来は生まれた瞬間から命を狙われてたの…。」
「オリガ…。久しぶりだな。」
「ほんといつぶり?って感じ。」
「オリガ、未来が…」
「わかってる。いまから行くつもりだけど2人ともどうする?」
「行くに決まってる。」
「そう…。慎は?」
「行く!未来が心配だし…」
「わかった。じゃあみんな留守よろしくね。」
そう言うと3人は消えた。
『えっ………………………?』
3人は暫く呆然としていたがー、
『えぇーーーーーーー!!』