確かに古いし庭には枯れた雑草がそこかしこに顔を覗かせている。 だからって古いなんてわざわざ言う必要があるのだろか。 でも古いと言った朔の顔は小馬鹿にしたふうではなくて、温かさのこもったとても柔らかなものだった。 「うん。でもなんかいいね」 根拠なんかないけどなんとなくそう思った。 「そうでしょ。僕もそう思う。 たくさんの歴史が刻まれてるからかな、古いけど温かい感じがして好きなんだ。 中は綺麗にしてるから住みやすいしね」 朔はまた 「ふふっ」 と笑った。