今日、初恋はじめます。

試着が終わり、試着室を出る。


「とても似合ってますよ!スタイルが良いから着こなせてますし、これからの季節にもぴったりですよ!」


慣れたトーンで店員さんは私をほめる。


鏡を見てみると、そこには、今までとはまた違った自分が映っていた。


私って、こんな感じにもなれるんだ。


見たこともないような自分がそこにはいて、
なんで、この姿を今まで隠してきたのだろうとすら思った。


隠してきた理由はひとつだけ。
本田君のため。


そんなことを考えて内心で微笑み、
恥ずかしくなる。


「これ、買います!」


そう宣言して、レジで会計を済ませる。


私は嬉しい気持ちでいっぱいになってまた街に戻った。


雑貨店に寄ったりもして、わくわくしながら帰宅した。