哉未は、とぎれとぎれに話しを切り出した。やっと言えた言葉だった。

『うん。あたしも話しがある』

やっとの事で里沙の方に目を向けると里沙は思ったより穏やかな表情だった。

『哉未。あたし達ここでケジメつけないと、これからもずっとこの想いを引きずる事
になる』

里沙が話しはじめた。哉未は静かに話しに耳を傾けた。

『これから恋人が出来て・・・』

里沙の言葉に胸がしめつけられる。

『それでも今までの事を後悔してしまうかもしれない・・・そしたら恋人が可哀相すぎる
でしょ?』

里沙が困ったように笑った。

『それに何年たって再会して同じ事を繰り返すのは嫌だから』

『哉未・・・あたし達ここで、ちゃんと終わりにしよう?後悔しないように』

『変な責任感じないで?あたしは大丈夫だから・・・』

『幸せになろう』

二人では幸せにはなれない・・・そう言われているようだった。

『ああ』

哉未は、ゆっくりと頷いた。