遥は、大輔と一緒じゃない時も時々大輔の母の病院に行った。相変わらず余り状態は安定して居なかったが、会いに行く回数が増えると遥に馴れてきたのか 特に乱れる事は、無くなった。
遥は、聞いているかどうか解らない大輔の母をおかぁさんと呼び 車椅子で庭を散歩したり、病室に花を活けたり、たまに母の調子がいい時は髪の毛をゆいあげたり、肩を揉んだり出来る様にまでなっていた。
 最近のおかぁさんは、調子がいい。病人だなんて思えないような会話ができる。…それでも昔の話ばかりだが…
この頃 大輔が土曜日にも付き合いでゴルフ行ってしまう事が多いので母を淋しがらせない為でもあった。

遥は病院の中庭を散歩しながら大輔の母とはなした。
「…大輔が生まれた時、私の1番幸せな時だったのよ」
「…母になるって、そんなに幸せなんですか」
「ええ」
大輔の母は、笑った。 「大輔は、どんな子供だったんですか?」
「優しいけど変な所で頑固よ。」
昔の大輔の話しをよくしてくれる。

昼過ぎに遥は、家に戻った。大輔が帰るまでに夕飯を作るために買い物をして家路についた。