私が思った通り当然、両親にも大輔は気に入られた。大輔との結婚には何の障害もなく進んでいけた。
大輔の母には 中々受け入れてもらえなかったが、極たまに 誰かと間違われてか話しをしてくれる事もあった。遥は、それでもいいと思った。大輔は、何年も一人でそんな母を受け止めていたのだ。今は、大輔が一人じゃない事で少しでも楽になれたらそれでいい。それに、遥は、何年かに渡って記されていた大輔の母の日記を読んで行くうちにやっぱり大輔は、この人に育てられたから今の大輔なんだと改めて感じた。大輔の母が大輔の父を愛し、不倫の末の妊娠、相手の家庭を壊さない為に愛する人の前から姿を消した事、大輔を一人で産んで育てて来た事、我が子を慈しむ母の愛情、仕事を天職だと誇りに生きていた事、それでも時に女として淋しい事も 日記の中の大輔の母は、形を変えたとしても紛れも無く今、遥の目の前の彼女なのだ。遥は大輔の母が好きだし、尊敬していた。自分の両親だって自分をこんな風に愛していたに違いない…
遥は、大輔の母を知っていく毎に自分の両親にも素直に優しくなれた。

運命の出会いって…信じますか?
私は大輔が運命の人だと本気で思っています。
そして 私も大輔にとって運命の人でありたい。

…だけど 運命の人だからって努力しなかったらやっぱり壊れてしまう。