「一樹から電話あったのよ。遥の新しい電話番号かメールアドレス教えてくれってね」
「うちに来てた。…プロポーズされた」
「おめでとう!」
「…断ったわ」
「何で?あ、でもやっぱり浮気は、許せないわよね。しかも、一度向こうに行って戻って来たって信用出来ないよね。まぁ不倫してた私が言っても説得力ないけど」
「…気が付いたの。私、一樹の前で本当の自分じゃなかったし、一樹が好きな私は本当の私じゃなかったって事に。」
「…遥の気持ち解るわ。私も不倫中は、相手の奥さんに負けたくなくて無理して聞き分けのいい女のふりしたり、いつも綺麗でいなきゃって、気が抜けなくて人形みたいだった。泣く時は一人だったし…遥も一樹の前では無理してたのかもね」
「…私ねいろいろあって両親と上手くいってなかったの。愛されてないと思ってたから。玉の輿にでものれば両親も私を少しは認めてくれるかと思ってた。だから医者の一樹ならって…私一樹の事余りわかろうとしてなかった。」
「…じゃあ恨んでないのね?」
「…別れた後は恨んでたけど、…好きになった人が解らせてくれた。」
「…彼氏できた?ね、それって、もしかして有森君?」
「そうよ。…本気なの。年下だし、まだよく解らない所あるけど有森君の傍は、私が無理しなくていい場所なの」
「…驚いた…有森君が遥を好きだってのは気が付いてたけど…くすっ
でも有森君ならいいんじゃない? いい人だし。私も彼好きよ。お似合いじゃない?」
彩が祝福してくれたのでホッとした。考え過ぎだったのかなぁ…

遥はストラップとレストランが偶然だったのかまだ気になっていたがなんとなく聞けないでいた。
有森からメールがきた。 土日は、有森がお母様の病院に行ってしまうので金曜日会うはずだったが有森が接待で遅くなっていた。
遥は彩と別れて駅に向かった。ちょっとほろ酔いの有森が待っていた。
「…遅くなっちゃった。ごめんね、待った?」
「いや、そんなに待ってないよ。彩さん一緒じゃないの?」
「…なんで彩と一緒だったって解るの?」
「何となく。そうかなと、思ってさ。」
また不安になる。