遥は毎日がばら色になった。勿論有森のおかげ。 …別に内緒にしておく積もりはないけど、発表する訳にも行かないし、照れ臭いから周りに黙っていた。

彩にいつ話そうかとは思っていた。

そんなある日 遥は彩と食事に行く。

「どう、最近」
「何が?」
「彩、最近何だか楽しそうだから」
「恋してるの」
「え?ねぇ、本当」
「まだ片思いで、今アタック中ってところなの。…何考えてるんだか解らない人で。くすっ」
「私も知ってる人?」
「知らない人よ。上手くいったら、詳しく教えるね。」
「気になるなぁ」
「あ、そう、そう、見てこれ、最近、私のお気に入りのイタリアンレストランなの。」
「へぇ、…」
遥はちょっと驚いた。
有森と行ったレストランだったのだ。
「とても美味しいのよ」 「よくいくの?」
「うん」
その時 彩の携帯が鳴った。
「メールだわ。」
その携帯のストラップを見て遥は驚いた。有森と同じものだった。
「そのストラップ…」
「あ、その彼にもらったのかわいいでしょ?」
「そうね」
遥は、不安になった。彩の好きな人は、有森の事じゃないか。私の知らない人だって言ってたけど彩が内緒にしたくてそう言っていたら…
「片思いだけど楽しいわ。遥も何だか楽しそうね。もしかして一樹とやり直した?」
「え?」