そう、確かに有森は、私が弟を亡くしたあの事故を思い出してしまった時に 『忘れられない事も辛いんだね』 って言ってた。 …何もかも忘れてしまう母と対象的に忘れられない遥…有森は、二人を見て二人の辛さを受け止めようとしていたのかもしれない。
「何もかも忘れるわけじゃ無いんだよ。ずいぶん昔の事は、覚えていたりして、僕の事親父だと思い込んでる。最近は、僕を先生って呼ぶから学生時代の記憶に飛んでしまっているのかも知れないね。」
「今日は、行かないの」 「休みは、いつも付きっきりだよ。一昨日も昨日も。…僕は、親不孝なんだよ。お袋と居ると疲れてしまうんだ。」
「お父様は?」
「元気で生きてるよ。僕らとは、違う世界で。お袋は、不倫で僕を産んだんだよ。」
「…お母様、ご苦労なさったのね。」
「そうだよ。でも僕だってどんなに辛い事我慢してきたか!」
「有森君…」
「ごめん。ちょっと疲れてたのかも。」
「…帰ろうか?」
「君といたら癒されるから、だから…」
「私もあなたと居ると心地いいわ。本当よ。」
「ありがとう」
「…私もありがとう」
見つめあった視線が外せない。 ……Kissされるのかな…そう 思った瞬間有森は、急に 視線を外してしまった。
「そろそろ、おなかすいて来たね。」
「そ、そうね。」
遥は有森を癒してあげたいと心から思った。自分が有森からもらっている心地よさを有森にも与えたい。
「何もかも忘れるわけじゃ無いんだよ。ずいぶん昔の事は、覚えていたりして、僕の事親父だと思い込んでる。最近は、僕を先生って呼ぶから学生時代の記憶に飛んでしまっているのかも知れないね。」
「今日は、行かないの」 「休みは、いつも付きっきりだよ。一昨日も昨日も。…僕は、親不孝なんだよ。お袋と居ると疲れてしまうんだ。」
「お父様は?」
「元気で生きてるよ。僕らとは、違う世界で。お袋は、不倫で僕を産んだんだよ。」
「…お母様、ご苦労なさったのね。」
「そうだよ。でも僕だってどんなに辛い事我慢してきたか!」
「有森君…」
「ごめん。ちょっと疲れてたのかも。」
「…帰ろうか?」
「君といたら癒されるから、だから…」
「私もあなたと居ると心地いいわ。本当よ。」
「ありがとう」
「…私もありがとう」
見つめあった視線が外せない。 ……Kissされるのかな…そう 思った瞬間有森は、急に 視線を外してしまった。
「そろそろ、おなかすいて来たね。」
「そ、そうね。」
遥は有森を癒してあげたいと心から思った。自分が有森からもらっている心地よさを有森にも与えたい。

