「ねぇ、おかぁさん、」 「私たち、あの日以来、あの日の事意外話せなくなってたわよね。…今日は、一緒に買い物行ったり、料理したり普通の親子に戻る事が出来て嬉しかった…だから、もう…あの日に戻るのは、止めましょう。」
「…そうね。」

この瞬間に何年も心を閉ざして絶たれていた何かが再び流れだした。


遥はやはり、あの日優が教えて導いてくれたんだと思った。


有森が優に似ているのも偶然じゃないのかも知れない。

遥は、優のアルバムを開いて見た。

あらためて見ると優は、可愛い 男の子で 有森とは、ちっとも似ていない…でも遥は、有森に優の面影を見ていた。


不意に携帯がなった。
有森からだった。

驚きながらでた。

「遥さん、有森です」
「どうしたの?」
「遥さん、連休どうしてます?」
「実家に来ているの」 「…そっかぁ…」
「どうしたの?」
「いや、その…食事にでも行かないかと思ったんだけど…実家帰ってるなら仕方ないね。今度また、誘うよ。」
「明後日なら帰ってる」 「明後日?…じゃあ明後日、ご飯…」
「有森君に沢山話したい事があるの。」
「何?」
「明後日話すわ。」
「何時頃迎えに行けばいいかな?」
「車で来てくれるの?」 「ああ。そのつもりだよ。」
「ご飯の前にドライブしたいわ。」
「喜んで!じゃあ3時はどう?」
「ええ。待ってます。」

有森に話す事は、優に報告する事のような気がするのだ。
優が心配してたから早く安心させてあげたかった。