遥は、今週末 両親の元に帰る事をぼんやり 考えていた。お正月やお盆にもたまにしか帰っていなかった…
どんな話をすればいいのだろうか？


母は、また泣くのだろうか… 父は、ちゃんと
目を合わせてくれるのだろうか…



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 連休


遥は、久しぶりに実家に帰った。

距離は、たいして遠くない…遠いのは、心の距離… 自分の家なのにちょっと怖い…

「ただいま…」
「お帰りなさい」
母が嬉しそうに笑った。 父は会社の付き合いでゴルフだと言う。


「ね、一緒に買い物いかない？夕飯食べたいもの作るから買い出しよ。」 「…いいわよ。」
母が無理して明るくしてる気がする。母と懐かしい近所のスーパーや商店街に行ってみた。

「…まぁ、！遥ちゃんなの？」
「こんにちは」
「綺麗になって。おかぁさんそっくりねぇ」
「久しぶりに帰って来たので一緒に買い物してるんですよ」
母は、近所のおばさん達に話かけられて何だか嬉しそうに喋りだした。私は近所のおばさん達がちょっぴり面倒臭さを感じていたが母は、娘（私）と居る事を自慢してるみたいに本当に嬉しそう…


母が喜んでくれたら
私も嬉しいんだ…

心が温かくなった。


私は母と台所に立ち
一緒に料理を作り その間お喋りをした。


「遥が明るくなってよかった。ねぇ、もしかして彼氏でも出来た？」

「残念ながら今は、居ないわ。でも最近は、よい仕事仲間に恵まれて、仕事が楽しいの。」

「そうなの。私はあなたの心を傷つけてしまったから。あなたが立ち直れなかったらどうしょうかって何時も悩んでいたの。」

「何時も？」
「そう。何時も」
「立ち直るって？」
「私が、あの日あの子を失ったショックの余りに取り乱してしまって、あなたに酷い事言ってしまったから。」
「酷い事？」
「なんで手を話したの！って…」
「言われても仕方ないでしょ…私が手を離さなければ…」
「…あなただって沢山水を飲んでしまって気絶してたんだもの」
「…そうなの？」
「後からあなたに謝って話してもあなたは私が悪いって…」