「起き上がれそう?」

「大丈夫…ちょっとふら

つくけどね。」

有森は、心配そうな目を

して見ていた。

有森に付き添われてエレ

ベーターで地下の駐車場

に降りた。

有森は、意外に逞しくて

私はちょっと驚いた

ふらついた私は有森の腕

に何度か支えられた

のだった。

柑橘系の微かな香がする。

「大丈夫?すごく熱いけ

ど…」

有森は、何度も声をかけ

てくれた。

「…有森君、この前は、

…ごめんなさい…」

私はそれだけは、ちゃん

と言ったと思う。