キミの螺旋

幸せな夢を見ていた…

藤紀に会えて
『好き』って言えた


やっと言えた…

今言わないと、あたしはまた後悔するから

頑張ったよ

夢の中だけなら…サラも居ないし

好きって言ってもいいよね…?


それだけで幸せだった


夢の中の藤紀はいつもみたいに優しくて

手を握ってくれてた


涙が出るね…

『好き』って想いが切ないの

誰も好きにならなかったら…こんなに寂しいなんて思わなかった。

不思議だと思わない?一人でいるよりも
片想いしてる時の方が寂しくて弱いなんて…

だから藤紀の手をギュッと握った。

離さないで

もう一人になりたくない

信じられる力が欲しいの

あたしが迷子にならないように手を繋いでいてね…


神話のように
貴方の顔を見ないで

繋いだ手を離さずに
この世まで連れて行ったら…あたしのものになるのかな…



もう…夢は終わり…

そう思ったけど…夢の中の藤紀は言った。

『オレも…凛が好きだよ…』

何て嬉しい言葉なんだろう…

自分に都合のいい夢見てるんだ


そして藤紀は
キスをしてくれた…






…唇の感触…


ハッとして目を開けると…そこには藤紀がいた…。