「いや、面白いもの見せてもらったよ」

「ハハ…参ったな…」

ちょっとサラに興味が湧いてきた。
帰るのがもったいなくなって、サラともう少し話していこうかなって思った。

「もう一杯だけもらえる?」

「あ、ハイ!」

すぐにサラはグラスに酒をついでくれた。

「よくあるのか?」

「さっきみたいなお客さん?たまに…いるわね。酔って暴れちゃう人とか」

「それでサラが叩き出すんだ?」

「そう…ダメだってわかってるんだけど、つい頭にきちゃって」

サラは恥ずかしそうな、どこか反省したような様子で言った。

どこか自分に似てる気がした…

オレはいつも
身内の事になると見境なくなる。
例えば─身内がキズつけられたりすれば

オレはソイツを殺したいほど頭にくるだろう


いつも自分を止められない。


そんな自分と似てて
イヤなんだけど


オレは紙に自分の連絡先を書いてサラに渡した。

「これ…?」

「ルームシェアはダメだけど…何かあったら連絡して。オレは帰るから…そうだ、今夜はどうすんの?」

「…帰るよ」

「良かった。じゃオヤスミ」

「ありがと。トーキ」

そう言って別れた。