そんな客の一言に
オレの方がキレた!


許せねぇ!


その客に向かって行き…思い切りぶん殴ろうと思った。

オレがその客に掴みかかる前に
そいつは





サラに胸ぐらを掴まれていた。

「な、なんだよ!離せっ!」

「てめぇ…なんて言った?!」

「本当の事だろぉ!?何だ?やるのか?何だかんだ言ったって男だよな!」

「おかまナメんな─────ッ!!」


そう言ってサラはその男を思いっ切り殴った。

えぇ───ッ!!

あまりのも見事に腰のきいたサラのパンチに、今オレが怒ってた事なんかすっかり忘れてしまった。

めちゃめちゃビックリした…

「出ていって!!もう二度と来るなー!!」

そう怒鳴り客を追い出した。

オレは…思わず拍手してしまった。

それにつられて周りも拍手する。

その拍手でサラは我に返り…焦っていた。

「ごめんなさい~ママ!もう客に手は出さないって言ってたのに」

「もういいわよ。慣れてるわ。それよりありがと!」

ママがそう言ってサラの頭を撫でていた。

そんな騒動が静まった頃、サラはオレを思い出し気まずそうに近寄ってきた。

「ご、ごめんね…変な所見られちゃったね」