キミの螺旋

「ふーん、オレは藤紀って言うんだ」

「トーキ…変わった名前ね?」

「あぁ、そうかな?…で?何を助ければいいの?」

「あのさ…トーキは一人暮らし?」

「そうだけど…」

「じゃ今夜からしばらくの間、居候…ううん、ルームシェアとかさせてくれない?」

あぁ…そういう事か
怪しいと思った。
家出娘か何かか?

「そういう話ならお断り!だいたい女が野郎とルームシェアなんかする方がおかしいだろ?」

「私なら平気よ?」

「いや…そういう話じゃなくてね」

なんか論点がズレてるな…

天然か?

それにオレは誰かと一緒には住めない気がする。
まして女となんて…

一生恋愛する気もないんだからな。

「じゃどういう話?」

「家出したんなら家に帰りなさいって言ってんの」

「家出…っていうか、彼と一緒に住んでたんだけど、別れて飛び出して来ちゃったの」

「じゃ実家に戻れよ」

その言葉にサラは呟くように答えた。

「実家は…一生戻れないと思うな…」

「どういう事?」

「ね!それよりホントにダメ?私ちゃんと働いてんのよ?お金なら大丈夫」

…って言われてピンときた。

「オレん家高いぜ?家賃折半なんてムリだよ」