キミの螺旋

その日はちょっと困ってる人が多かった。

見つけてしまったからには…無視する事なんかできない。

まぁ…そんな日もあるさ。
アイツらもオレなんか待ってないのはわかっていたし。

そんなオレを見ていた'女'がいた。

「ねぇ?あなたって正義の味方?それとも犬のお巡りさん?」

笑いながらオレに声をかけてきた人を見たら

身長がやたらと高い大きな女だった。

「何か用?」

「さっきから見てたら…道案内ばっかりしてるから面白い人だなって思ったの」

「だから何?バカにしてんの?」

オレはちょっとムカついてた。
からかわれてる気がしててさ…

でも彼女はニヤリと笑い答えた。

「まさか。スゴいじゃない?人助けするなんてさ」

「スゴい?何で?そんな風に思う事の方が変だろ。誰にでもできるし…こんなの人助けの内に入らねーよ」

「考え方を少し変えればいいって事ね」

「話しは終わり?オレもう行くから」

「あたしも助けてもらいたいのよ」

「…は?」

助ける?
こんな…全く困ってなさそうな女を?

「オレ金持ってないよ?」

「やだ、そんなんじゃないって。ホントに助けてほしいの」

「アンタ名前は?」

「…サラ」