キミの螺旋

何もない平穏な日々を過ごす。

始めの頃はそんなフツーな生活が新鮮で幸せだった。

─それでいいんだ

もう刺激なんかいらない
あんな檻の中の生活に戻りたいなんて誰が思うんだ?

これが幸せなんだ
何をガマンしたって
このチャンスに感謝しよう…



そんな何もない学生生活を送り四年生になった頃

オレは一人の女に出会った。


ある日、オレは学校の友達と街中を歩いていた。
買い物に付き合ってただけなんだけどな。

その時
道端でめちゃめちゃ困ってるバァちゃんを発見した。

その頃のオレといえば道で困ってる人とか見るとすぐに手を出していた。

大学でもボランティアをやるようにしていた。

…別に罪滅ぼしってワケじゃないけどさ

人助けも悪くない


そんなワケで
すぐにバァちゃんに駆け寄り

「どうした?道わかんないの?」

って声をかけた。

「は…はい…ここなんですけど」

「うん?あぁわかった!オレ案内してあげるよ」

そんな会話のやり取りを聞いていた『友人』達は、すっかり呆れた感じで言った。

「北川!マジかよ~いい加減にしてくんない?!」

そう言われるのも
慣れた。


「悪い!先行ってて」