「おはよー!男女!!!」
「今日は誰先生と援交??w」
「援交しなきゃ、どうせ入れないわ。こんなエリート校!」
「あんたみたいな奴、大嫌いなのよ!!」

女子には言われ放題。


男子には見て見ぬふりをされていた。


仕方ないこと。
だってここは将来を左右するほどの名門校。

彼女ほどの人が簡単に入れる所じゃない。


私も最初はコネなんじゃないかって思った。

でも今はそう思いたくなかった。


「…………。」


何を言われても彼女は微動だにしない。


それが余計に火に油を注いだ。



「……はぁ?なめてんの、お前。」
「ここは馬鹿がいていい所じゃねぇんだよ!!!」


その瞬間、彼女はゴミ箱の中身を頭から被せられた。


流石に私もやり過ぎだと思うし、止めようとした。


自分がされて、とても辛かったから。


でもだからこそ、怖かったの。



自分がターゲットになることが。



「……ぁ…………。」

声なんてか細くて誰にも届かない。


誰にも……届くことがない。
どんなに足掻いても。

強者には、弱者の叫びが届かない。


私はそう学んだの。あの時も、あの時も。


だったら強者になればいい。


二度と傷付くことがないよう、もう二度と弱者にならないためにも。



私は……強者だ。