「ど……して……?」

何で追いかけてくるの。

そんなの、反則だよ。

どうしてそうやって期待させるようなことするのよ……。


「千夏っ……!」

「来ないで……ッ!!」

「違うっ!聞いてほしい事が……」

「何も聞きたくないっ!やめてよ…ッ!」


お互いに息を荒らげて、整える間もなく言い合い続ける。


「ごめん!ホントに、反省してるっ……俺はお前に酷いことを……」

「やめてって言ってんじゃんッ!!」

「だから俺の話を……」

「嫌ッ!!!」


思わず強く当たってしまって、後悔した。


ふと彼の方を見ると……何故かすごく傷ついた顔をしていた。



「……わかった。」


海は表情を暗くして、ゆっくりと私に背を向けて行った。


「ッ待ってっ……海っ……!」

小さく震える声で呼んでも、きっと彼に届いてない。