"幼なじみの家に夕飯食いにいく"
旭に言われてふと亜沙美のことを思い出す。
亜沙美と広瀬くんも幼なじみだって言っていた。
私も旭とは小さい頃から一緒にいた。
旭はまだお母さんと一緒にいた時にアパートの隣に住んでいて、よく私の面倒を見てくれた。
一緒にお母さんの帰りを待っていてくれたこともある。
普段は仕事でいないお母さんより一緒にいたから、私にとっては家族のような存在で旭に言えないことなんてない。
言いたいことを思ってることを旭には何でも言える。
でも亜沙美は広瀬くんには"好き"という想いを伝えられずにいる。
どうして言えないんだろう。
ずっと一緒にいた幼なじみなら想いを伝えても関係が崩れるなんてことないと思うのに。
「……険しい顔してるね」
「…っ!?……あ、旭」
隣から眉間に向かって指が伸びてきたかと思えばグリグリとシワを伸ばされた。


