「シワ伸ばそうと思ったのに余計にシワ寄っちゃったね!」
「……え?」
シワが寄ってたなんて気付かなかった。
考え事をしていたから自然と眉間にシワが寄っていたんだ。
「……アタシに考えてること話してなんて言わないよ。
ただ何かを考えて悩んでるなら話せる人に話すんだよ?
そのままずっと自分で抱え込んでたら、それこそ以前のみーことなーんにも変わらないんだからね?」
アタシはいつでも大歓迎だからね!
そういって七笑は満面の笑顔を浮かべた。
誰かに話す。
これは前に海で叫んだときが初めてだった。
自分の思ってることをありのまま誰かに伝える。
そうすれば体は心は自然と軽くなった。
「…あ、あの……」
「あ!恵兄ぃー!」
七笑に亜沙美のことを話そうとしたら七笑は恵司さんの名前を呼んで走り出した。
今自分はいつでも大歓迎だよって言ったよね?
だから話そうと決心したのにほんとこの人は空気が読めない。
……てか今、恵兄って言った?


